北信小谷村 立山(938.8m) 2016年3月13日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:12 白岩集落−−6:55 携帯電話基地局−−7:30 立山 7:34−−7:56 白岩集落

場所長野県北安曇郡小谷村
年月日2016年3月13日 日帰り
天候
山行種類残雪期
交通手段マイカー
駐車場林道除雪終点に駐車
登山道の有無車道が山頂まで続く
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望薄い落葉樹であまり展望は良くない
GPSトラックログ
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コメント北側の白岩集落から往復。地形図では山頂近くまで延びる林道を利用したが実際には山頂まで林道が達していた




雪を部分的に残した「車止め」 どん詰まりで転回場所無し
先人の足跡あり。ラッセル無しで助かった 除雪された林道が続く
こんな看板があった この穴が駒の足跡らしい
何の施設か不明 携帯電話基地局
舗装道路は基地局まで 積雪が増加するとトレースの主はワカンへスイッチ
地形図より上部に林道が延びる 林道で山頂まで来てしまった
FM放送用アンテナ 地デジ用アンテナだと思う
おそらく三角点はこの付近に埋もれている 立山から見た乗鞍岳方面
復路は林道をショートカット 部分的にはかなりの急斜面
デブリ 750m付近。藪が出てしまっている
小尾根を下る 下部の植林
白岩集落

車に到着



 立山と言えば富山の立山しか思い浮かばないが小谷村にも立山がある。ただし3000m峰ではなく標高1000mに満たない里山的存在だ。国道148号線から奉納温泉への県道330号線が分岐する地点の北東に位置し、地形図を見ると北側にかなりの標高まで車道が描かれている。無雪期ならばこれを利用すれば簡単に登れそうな小さな山である。

 今回はまだ雪が残る時期で、当然ながら人家のない林道が除雪されているはずがない。でも今年は雪解けが早く、この標高では南斜面はかなり雪が消えている。当然ながら雪がない地面の方が格段に歩きやすいので南側から登ることを考えた。しかし現場に行くと標高を稼げる集落の中の道は狭くよそ者が駐車できる場所はなく、県道から登るとなると標高差が大きくなる。県道を奉納温泉方面に進めば標高を稼げるが山頂から離れてしまう。また、県道沿いの南斜面は人家が点在し、ルートをうまく考えないと人家の庭先を突っ切るような事態になりそうだった。どうしようか悩んだが、雪があっても人目を気にせず歩ける北側の林道コースに決定した。

 地図によると国道から小谷温泉方面への県道114号線に入って2つ目のトンネルを抜けた先に林道入口があるようだ。2つ目のトンネルを抜けると白岩集落があり、右側に鋭角に曲がって上がる林道を発見。まだ上部に人家があるようで予想外に除雪されていた。カーブを一つ曲がると人家があり、その裏で除雪が途切れていた。いや、正確にはその先も除雪が続いているのだが、車が入れないように道路上にわざわざ雪を残してあったのだ。雪の土手の上には足跡あり。林業作業のためか、それとも猟だろうか。この状況ではこの先は大型車でも入れなさそうだし、まだ日曜日早朝であり業者が林道の除雪をやるにしてももっと先の時刻だろうと判断し、雪の手前の林道のど真ん中に車を止めた。

 さて、この除雪はどこまで続いているのだろうか。可能性としては林道の途中にある送電線。この巡視のために除雪したと考えるのが最も理にかなった解釈だ。だとしたら林道全体の1/3程度は除雪が見込まれ、全区間で雪の上を歩くよりはずっと楽ができそうだ。昨日の経験でスノーシューが必要と判断し、ザックにくくり付けて出発。さすがに今回はアイゼン、ピッケルは持たなかった。

 カーブを曲がると除雪された舗装路が続く。数日前の新雪が所々に吹き溜まっていて、その上には新しい足跡がくっきりと残っていた。間違いなく昨日歩いた人のものだ。靴底のパターンを見る限りでは長靴ではなく登山靴っぽかった。でもわざわざこんな季節にこんな山に登る人が私以外にいるとは思えない。

 林道上はきれいに除雪され、雪が残っているのは新雪が新たに積もった場所だけであった。除雪で路面が顔を出すと雪解けが一気に進むため、周囲の地面は雪に覆われたままでも道路上のかなりの部分は硬い舗装道路を楽に歩くことができた。吹き溜まりでは昨日の足跡があってこれまたラッセルが格段に楽で、スノーシューを履くまでもない。

 高度が上がると吹き溜まりの積雪量が増えて歩きにくくなるが、先人の足跡が大いに役立つ。驚いたことに足跡の主は途中でワカンにスイッチしていて、もしかしたら立山への登山者かもしれないと思える事態だ。新雪の積雪は場所によっては20cm近くあり、車で入るには再除雪が必要だろう。

 林道が小尾根で大きくカーブする場所に建物登場。ありがちなアンテナは無く何の建物かは不明。その少し先、標高760m地点には携帯電話の基地局があり、舗装はここまでだった。でも除雪はまだ先に続いている。ということは、この先にまだ何か施設があると言うことか? 地形図では林道周囲や終点には特にマークは無いが。

 この先で林道は左に大きく曲がって912m峰との鞍部へと登る。まだ先人のワカン跡が続いている。地形図では鞍部手前で林道終点のはずだが、現場に出ると鞍部から立山山頂方向へと林道が続いていた。足跡も続く。この林道はどこまで続くのだろうか? とりあえず山頂に近づきそうな雰囲気なので、その状況が続く限りは林道を辿ることにした。先人の足跡を利用することでラッセル不要のメリットも考慮してのことだ。

 林道は鞍部から続く尾根を横断して北側斜面へ移り、ジグザグりながらもじわりじわりと標高を上げていき下る気配がない。本当に山頂まで達しているのかもしれない。途中、ショートカットで山頂へいけそうな場所も見られたが、往路は林道の位置を特定するために、少々遠回りになっても素直に林道歩きに徹することにした。

 ジグザグって尾根に乗るとほぼ山頂で、山頂部には放送用アンテナがいくつも立っていた。そして林道と除雪はここで終了。林道は立山山頂に放送設備建設のために延伸され、そのメンテナンスのために除雪したようだ。建物群の一番奥が標高が一番高い場所で、地形図によると三角点があるはずだが辺り一面は締まった雪に覆われて三角点は見えない。ワカンの跡もここまでで、三角点を探索したかのように広い山頂部を周遊していた。本当に登山者のものだったようだ。どんな物好きなのだろうか。下界から上がってくる電線の周囲が樹林が伐採されて展望が開けるが、その他は落葉樹林に覆われてすっきりとは見通せなかった。

 帰りは面倒なので一直線に下ることにする。幸い、雪はそこそこ締まっているので下りならスノーシュー無しでも大丈夫だろう。まずは鞍部へと尾根を下るが、林道が尾根をぶった切って横断するところは法面状で下ることができず、左手の急斜面を下って一度林道に降り立ち、林道を突っ切って再び雪の斜面を下る。ここもいい傾斜だが雪は適度に踏み抜くので踵のブレーキがよく効く。

 携帯基地局から次のカーブまでは林道は尾根上を通っているので林道を歩き、用途不明の建物から再びショートカットで斜面へ突入。しかしこの周辺は雪が少なく、地面は横に寝た低い針葉樹の潅木藪が多くて歩きにくい。僅かに残った雪の上に立ってもこれまでの雪と違って下がスカスカで踏み抜き連発で非常に歩きにくい。できるだけ雪が多く残ったルートが取れるように先を見て進路を判断する。傾斜がきつくなると雪が多くなり藪が消えて歩きやすくなった。その先には短いながら細く急な尾根が登場。雪がほぼ消えているがもう藪は無く問題なく歩けるが、傾斜がかなり急でコケると止まらなさそうなので足元に注意しながら慎重に下った。

 傾斜が緩むと林道を横断、植林帯に突入しゴールは近そうな雰囲気だ。日当たりの悪い植林帯の中は雪の締まりが悪くて踏み抜きながらだが、標高が低く雪は多くても20cm程度しかなく、大きな障害にはならなかった。

 最後の最後は短い区間だけ林道を歩いてゴール。当然ながら他に車はいなかった。北側斜面でまだ日当たりは無く、車の中は冷え切ったままだった。


 まとめ。この山は無雪期なら山頂まで車で入れる山だった。ゲートは無しで、標高760mまでは舗装済。それより上部はダートだがそれほど路面状況は悪くはなさそうだったが、湿っていると泥濘にはまる可能性も。晴れが続いて乾いた日に入るのが良さそうだ。

 

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